・症状の変化はゆっくり進むため、記録がないと「いつから」が分からなくなる
・簡単なメモ程度でも、診察時や施設との連携で役立つ
・記録は「本人の変化」だけでなく「家族の気づき」を残す意味もある
認知症の症状は、日々少しずつ変化していきます。その変化があまりに緩やかなため、記録を取っていなければ「いつから、何が変わったのか」を正確に振り返ることができません。
「なんとなく変わった気がする」では伝わらない
通院の際、医師から「最近の様子はどうですか」と聞かれても、記憶だけで正確に答えるのは意外と難しいものです。
「なんとなく前より会話がかみ合わなくなった気がする」といった曖昧な説明では、医師も適切な判断がしづらくなります。
記録があれば、「〇月頃から、夫のことを認識できない時間が増えた」といった具体的な情報を伝えられ、診察の精度が上がると感じました。
実際につけていた記録の形
我が家で使っていたのは、特別なアプリなどではなく、シンプルなメモ形式の記録でした。
・日付
・その日あった変化・気になる言動(簡潔に一言でも可)
・対応したこと、うまくいった声かけ
これだけでも、後から見返すと「この時期からこの症状が増えている」という傾向が見えてきます。
記録は「家族のため」でもある
記録の目的は、医師やケアマネージャーへの報告のためだけではありませんでした。
介護をしていると、日々の対応に必死で、症状がどれだけ進行しているか実感しづらくなります。
記録を見返すことで、「これだけ大変な状況を乗り越えてきたんだ」と、自分たちの頑張りを客観的に振り返ることができ、精神的な支えにもなりました。
変化に気づいた家族の「声かけの工夫」も記録する
症状の記録だけでなく、「こう声をかけたら落ち着いた」「この話題は避けた方がいい」といった、対応方法の記録も一緒に残しておくと役立ちます。
家族のうち誰か一人が対応に慣れていても、他の家族が同じように対応できるとは限りません。
こうした工夫を共有しておくことで、家族全体の対応の質を底上げできたと感じています。
完璧な記録でなくていい
毎日欠かさずつけようとすると、それ自体が負担になってしまいます。
気になったときだけ、一言メモを残す程度で十分です。継続すること自体に意味があると割り切ることで、無理なく続けられました。
次回は、親の介護費用が貯金と年金だけで足りるのか、実際に計算してみた話を書きます。
(本記事は個人の体験に基づくものであり、医学的な助言を目的としたものではありません。症状への対応は必ず主治医にご相談ください。)


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